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2025.05.22

化学繊維、動植物毛材

 

種別 特徴 比重 吸水率 溶融点 使用限界
化学繊維 6ナイロン(Ny) 耐摩耗性・弾力性・柔軟性に富み、長時間使用に耐える。砥粒入り毛材、導電性毛材を始め、洗浄・搬送などブラシ毛材として最も用いられている毛材である。酸には抵抗性は弱いが、アルカリには殆ど影響は無い。6ナイロンは強度耐摩耗性。66ナイロンは耐熱性。610・612ナイロンは耐水性に優れている。毛材径は0.05~2.0まで豊富にある。 1.14 10.7% 215℃ 100℃
66ナイロン(Ny) 1.14 4.5% 255℃ 110℃
610ナイロン(Ny) 1.08 2.5% 215℃ 100℃
612ナイロン(Ny) 1.02 2.5% 175℃ 100℃
マルチナイロン ナイロン単糸(6デニール:Φ0.027)を210本で撚った束を、さらに2束合わせて捻り、1本の毛束を構成。
洗浄使用することにより毛先がほぐれて6デニールの単糸により洗浄物の隅々までソフトに洗浄できる。
ガラス基板やアルミ・SUSの鏡面仕上げなどに用いられる。
ポリプロピレン(PP) 酸・アルカリに抵抗力あり。他の繊維より毛腰が強く、水を含まないので、湿式使用時にも毛腰の変化がない。
比重が0.91と軽く、ナイロンより安価である。摩擦や衝撃で毛材が縦裂けを起こす。毛癖が付くと回復力はない。
線径が太くなるほど毛材が扁平になり易い。溶融点165℃。使用限度80℃
ポリエステル(PET) ポリエステルの中で一番多く生産されているポリエチレンテレフタレート(PET)はペットボトルや繊維として使用される。テトロンなど商品名のまま呼ばれることもある。ナイロンに次ぐ強度があり、耐熱性が良い(溶融点260~265℃)。耐摩耗・耐久性に優れる。弾力性があり、衣類などしわの回復力が良い。油類・耐薬品性がよい。
吸湿性は低い(水分率0.4%)。静電気は帯やすい。比重(1.38)。
獣毛 豚毛 獣毛の中で毛腰の強さ・耐久性は優れている。歯ブラシ・塗装刷毛・バスブラシ。
酸に抵抗性があるがアルカリに侵される。
馬毛 本毛(尻尾)とイカツ(タテガミ)がある。本毛は黒く太く毛腰があり、イカツは薄く茶色っぽくソフトである。
洗浄ブラシ、塗装刷毛。酸に抵抗性があるがアルカリに侵される。
山羊毛 毛腰はしなやかで細いので、密度の高いブラシである。摩耗性が低く毛切れを起こしやすい。
筆・塗装刷毛・食品刷毛。酸に抵抗性があるがアルカリに侵される。
食物繊維 タンピコ(パキン) 毛の太さの割には毛腰は強く、水の含みが良いので洗浄力は良いが、引張り強度が弱いので折損が激しい。酸アルカリに老化しやすい。
鉄板・アルミ・SUSなどの鋼板の洗浄・表面処理用。木工品の艶出し。
シダ 植物繊維で最も毛腰が強い。線径が太く硬い。吸水性が良く洗浄効果が良い。
引張り強度が弱いので折損が激しい。酸アルカリに老化しやすい。床磨きのポリッシャー用・デッキブラシ。
パーム(コイヤー) 椰子の実の繊維で吸水性が良く、洗浄効果が良い。鋼版の洗浄・清掃用。タンピコより柔らかい毛腰。色は茶色。
清掃用たわし。酸アルカリに老化現象を起こす。
シュロ 乾燥に弱い。繊維が細くしなやかである。箒・たわしに用いられている。

 

 

 

カラー毛材

 

食品や医薬品などは特に毛材異物混入が問題になります。手植えブラシや接着剤などで抜けにくくすることができますが、完全解消は困難です。切れ毛等で製造ライン内に混入した場合にブラシ毛材の発見を容易にできるようにカラー毛材を用います。
カラー毛材のナイロンは ●耐摩耗性・弾力性・柔軟性に富み長期間使用に耐える
            ●66ナイロンは耐熱性
            ●酸には抵抗性は弱いがアルカリには殆ど影響は無い
            ●610・612ナイロンは耐水性に優れている

 

■66ナイロン カラー毛材

①グリーン

 

 

②黒

 

毛材線径
0.10 0.15 0.20 0.2波 0.25 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 1.00
グリーン

 

 

 

 

PBT(ポリブチレンテレフタレート)毛材 比重1.3

 

ポリエステル系の毛材で66ナイロンに比べ吸水率が低く毛腰があります。
近年では歯ブラシ、食品工場向けのブラシなどにも幅広く使用されています。
また、発色が良く鮮やかに映えることもあって、色付きの毛材としても多く採用されています。
毛材 毛材線径
Φ0.1 Φ0.2 Φ0.25 Φ0.3 Φ0.4 Φ0.6
PBT

 

 

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